Top > メールマガジン「物流ナビゲーター」 > 第396回「知っておきたい物流マンのための関係法令」

第396回「知っておきたい物流マンのための関係法令」

1.労務・調達関連法規
(1)労働基準法
労働者の人たるに値する生活を営めることを目的に、最低基準の労働条件(賃金・就業
時間・休息・解雇・休業補償など)を定めた基本法であり、労働者の権利と会社の義務
が記述されている。正社員だけでなく、パート・アルバイト・嘱託等を含めた全労働者、
および1人でも労働者を雇用するすべての事業所にも適用される。性別・信条・国籍な
どによる差別も許していない。当該法律を下回る基準で雇用した場合には罰則が設けら
れている。

(2)労働者派遣法
社会構造の変化、価値観・就業意識の多様化で非正規雇用(派遣)労働者が急増する状
況に対し、「労働基準法」でカバーしきれない「派遣労働」に特化して、派遣労働者
(通称、派遣スタッフ)の保護と雇用の安定化を図るため、派遣元会社や派遣先企業が
守るべきルールを定めた法律である。
<派遣労働の定義>
労働者が人材派遣会社(派遣元)と雇用契約を結んだうえで、実際に働く会社(派遣先)
に派遣され、派遣先の指揮命令を受けて働く複雑な働き方である(派遣元が賃金を含む
労働契約上の義務を負うが、実際に労働に従事させるにあたっての義務は派遣先が負う)

(3)労働安全衛生法
労働災害の防止と快適な作業環境の確保を図ることを目的に、「労働基準法」の労働安
全衛生部分が独立する形で制定された法律である。全産業の安全・衛生を対象としてい
るので、法の適用範囲は広く、業種や規模により措置すべき内容や、行政官庁への報告・
届出・申請などが定められ、事業者に対して広範な予防措置を要求している。
物流では、重量物・危険物の取扱いが多く、保管荷役、フォークリフト業務やトラック
運転業務などでは、常に事故と隣り合わせである。経営者が安全を掛け声やスローガン
に終わらせることなく、みずからの専権推進事項として、リーダーシップを発揮して災
害防止に取り組む必要がある。

(4)消防法
火災を予防し、国民の生命・身体および財産を保護するとともに発生被害を軽減するこ
とを目的に、火災の予防・警戒・調査・消防設備・消化活動・救急業務、危険物の取扱
などを定めている。

(5)下請代金支払遅延等防止法
この法律は、下請取引の公正化と下請事業者の利益保護を目的に、独占禁止法の特別法
として制定された。親事業者の優越的地位の濫用禁止を明文化し、効果的に保護を図ろ
うとするねらいがある。

(6)独占禁止法
企業間の公正、自由な競争を確保することで、資本主義の市場経済の健全な発達を促進
することを目的としている。次の3つの柱によって構成されている。(1)私的独占の
禁止、(2)不当な取引の制限、(3)不公正な取引方法の禁止、である。近年、規制
緩和の中で、これまで例外的に地域独占が認められていた電力分野にも独占禁止法が適
用されるようになった。同法には、自由化促進への妨害の監視が期待されている。

2.道路交通関連法規
(1)道路交通法
交通事故を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の
防止に資することを目的とする。近年では、準中型自動車免許の新設、自転車による危
険な違法行為に関する規定の整備、運転免許の仮停止対象範囲の拡大などの法改正が行
なわれている。

(2)道路運送法
道路運送事業の運営を適正かつ合理的なものとし、道路運送の利用者の利益を保護する
とともに、道路運送の総合的な発達を図り、公共の福祉を増進する。すなわち、主に旅
客自動車運送であるバス、タクシーなどの事業、また有料道路などの自動車道事業につ
いての法律である。

(3)道路法
道路網の整備を図るため、路線の指定・認定、整備、管理保全、費用負担等、道路に関
する事項を定めた法律である。この法律で対象とする道路とは、高速自動車国道、一般
国道、都道府県道、市町村道の4種類である。
<道路法に基づく車両制限>
道路は一定の構造基準によって造られている。そのため道路法では道路の構造を守り、
交通の危険を防ぐため、道路を通行する車両の大きさや重さの最高限度を次の通りに定
めている。この最高限度のことを「一般的制限値」という。

3.運輸関連法規
(1)貨物自動車運送事業法
貨物輸送を事業として営む者を対象とした法律である。1989年に、道路運送法に代
わり、民間の創意工夫を織り込んだ事業活動を行えるように、また過積載・過労運転な
どの防止による輸送の安全確保・輸送秩序の維持の実現に向けて制定された。
<貨物自動車運送事業の定義>
営業トラックとは、他人の需要に応じて、有償で自動車を使用し、貨物を運送する事業で、
3つの事業が定義されている。

①特定貨物自動車運送事業・・・特定の荷主の需要に応じて、有償で行う運送事業であり、
                                  郵便物・鉄鋼・石油・化学品の専属輸送などがある。
②貨物軽自動車運送事業・・・・軽自動車や二輪自動車を使用して貨物運送を行う事業で、
                                  赤帽やバイク便などがある。
③一般貨物自動車運送事業・・・従来の路線事業と区域事業が統合され、一般貨物自動車
                                  運送事業となった。従来の路線事業は特別積合せ貨物運
                                  送として、一般貨物自動車運送事業の一形態として区分
                                  された。

(2)貨物利用運送事業法
輸送機関を利用して貨物を取り扱う事業(フォワーディング)を行うことは、旧法では自
動車・鉄道・海上・航空など、それぞれ輸送機関別の事業法で規制され、煩雑であった。
1990年施行の改正「貨物運送取扱事業法」で、運送取り扱い事業(運送取り扱い、利
用運送など)が簡素一本化された。
2002年改正(2003年施行)の「貨物利用運送事業法」で、さらに緩和され、規制
対象は貨物利用運送事業のみとなった。
貨物利用運送事業とは・・・
荷主との運送契約をして、自らは運送を行わずに実運送事業者に貨物の輸送を依頼する事
業のこと。
貨物利用運送はトラックを運送手段とする「第一種貨物利用運送事業」と、主に船・鉄道・
飛行機を運送手段に含む「第二種貨物利用運送事業」がある。

出所:「ロジスティクス管理3級」社会保険研究所 監修:苦瀬博仁・梶田ひかる