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第408回「ヤマトに見る総量抑制に対する対策」

昨今、個人のネット通販での購買が増え、年間宅配個数は約38億個となった。これにより宅配の雄であるヤマトは時間指定の一部の時間帯を中止してドライバー不足に対応するようだ。
ドライバー不足は1989年のバブル崩壊前にも大きな社会現象として起こっている。この時はバブル経済の活況に対してドライバーが足りない状況であったが、今回は宅配をはじめとする物量に対して著しい少子高齢化により、ドライバーの成り手が不足している。
また、今回はサービス業、建設業も人手不足に頭を痛めている。需給バランスの偏りという点では人手不足の歴史は繰り返されている。
物流における宅配業界での人手不足対応としては次のような方法がある。

(1)過去宅配事業を行っていた事業者に再参入を促す。バブル崩壊後、多くの宅配事業者が撤退したが、国が宅配助成金を予算化することで、福通、西濃などの有力企業への再参入を支援し、対応できる物流事業者のパイを増やすことである。

(2)Eコマースでの品目にランク付けを行い、取扱い優先順位を付ける。Eコマースは多くの企業で扱いが急増しており、何もアマゾンだけではない。そこで衣・食・住・医療を中心とする“生きるために必要なモノを運ぶ”を最優先させる。ランク付けには多大な工数が掛かるが、何でもかんでも同じタイミング、リードタイムで運ぶ時代ではなくなってきた。そんな余力は今の宅配事業者にはない。

(3)過剰サービスを見直す。サービスが充実していることと過剰サービスであることの線引きが不可欠である。また、細かなサービスを提供すればするほど現場はついてこれない。ドライバーが務まらないのである。時間帯指定を行っているのはヤマトだけである。長年、付加価値とされてきたサービスは、今では働く側の大きな負担となってしまった。時代が変わったのである。アマゾンの即納サービスも結局は委託されているヤマトが一部を担っている。こんなに時間を細分化したサービスを行っているのは日本だけである。グローバル化とは逆行しているのである。

既に宅配ボックスの設置など国が打ち出している対策があるが、これだけでは追いつかないであろう。