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第421回 「3つの“放し”」

小生の仕事は様々な会社の物流に関する改革・改善・教育などを行うことを主な生業としている。

そのために各々の企業が抱える物流以外の経営活動にも見聞を多く持つことになる。

結果的に会社を診る目が肥えてくるのであるが、多くの企業が抱える致命的な課題があることに気づかされる。それは継続力、執着心、定着力の欠如から来るもので、成果報告が果たされれば経営者とその周辺幹部でさえも意識から離れている場合が多い。それは「言い放し」「決め放し」「やり放し」であり、執行管理とも言われている内容である。上司が部下に対して指導し、指示を出すが、それがどうなったかどうかについては部下からの報告・連絡・相談任せとなっており、その習慣がない組織においては上司が「あれはどうなっている」と確認を取らない限り、出したままの指導・指示になってしまう。重傷であるのは時間を要するテーマや宿題を部下やチームに出しておきながら、当の本人は他の重要テーマに手と心を取られて忘れてしまっているケースである。このような場合、下の者は「どうせ、また忘れるだろう」「手をつけても、また放置したままになる」などと負け犬根性が生まれ、上司は狼少年扱いされ、何を伝えても動かない組織になってしまう。

「決め放し」に関しても全く同じことである。「決めた事はやる」という約束が守られないならば「やらないことは決めない」としっかりとコミットしなければならない。また改革や改善においても活動を行い(やる)、効果測定を行い、一定の効果が出たと判断するやいなや、次のテーマに着手する。次のテーマに着手することは間違いではなく、むしろ当り前の改善活動と言えるが「効果が出たと判断」しても改善が終わる理由にはならない。テーマにもよるが末端に“浸透”するまでに2~3ヶ月、リバウンド(急激に改善したことによる反動)に対する“軌道修正”を行い、「定着」するまでには6ヶ月はかかるものである。

プロジェクト担当者や改善責任者は、このプロセスまでを見届け、場合によっては振り返り、一つのテーマを「結び」とする。結果、真のノウハウが蓄積され、組織が正常に機能するのである。

このようにいくら時代の流れ、業界の流れが早いと言っても地に足をつけた組織運営、マネジメントを行わなければ、いつまでたっても会社は強くならない。

P(plan)、D(do)、C(check)、A(action)のサイクルを教えられている読者の方も多いかと思うが、最後は「言い放し」「決め放し」「やり放し」の3つの“放し”を排除しなければ何の成果も得られない。

以上のことは定年間近になった「後は私は会社にいない」という方にお伝えしても到底、無理な事であり、終わりなき戦いを強いられるオーナー経営者、将来のある若手リーダー、中堅幹部の方々が中心になって変えていただきたい会社体質である。

(再掲載)