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第433回「物流改善の手法と進め方」

1.物流改善の考え方

(1)物流の位置づけと役割

<従来>
「営業活動の後処理」
「指示されたことを正確に、安く」
「結果重視の後手後手対応」

<今後>
生産~営業・販売活動までの各プロセスを効率的につなぐ様々な支援を行う後方支援部隊”

■営業と物流の関係では、互いが業務を円滑に遂行することだけでなく相互の情報共有と活

 動目的の一致が重要となる。
   ↓
自分たちの顧客は誰なのか自分達が提供しているサービスは、何なのか

明確な役割分担を決定し、運営することが利益の極大化につながる

(2)物流業務の改善着手範囲

■物流業務の改善着手範囲を知る為にはまず、物流コストを把握する必要がある。

■物流コスト・・・配送費・保管費(見えるコスト=支払物流費)
          人件費・事務用品費(見えないコスト=社内物流費)

 支払物流費+社内物流費=トータル物流費 →ほぼ同額のコスト

■物流業務改善の範囲・・・受注~顧客へ納品・返品処理完了まで

☆注目すべき点・・・受注 どのように受注(作業指示)を受けたか

「物流の90%は受注で決まる」⇒『受注業務から見直そう!!』

■受注のコスト領域は、社内物流費であり、これらを改善することによりより多くの改善効果が見込める。(社内物流費の問題点が発見できる為。)

■また、支払物流費は、委託先への値下げ交渉を実施済みであり、コスト削減余地は少ない。

社内物流費に着目し、受注から納品・返品処理までの一連の業務改善を行うことで、トータル物流費を削減することがコスト削減のポイントである。


(3)改善シナリオの作成

■物流改善を成功させるためには、「最終目標の明確化」と、「目標達成に至るまでの改善シナリオの構築」が必要。

■シナリオ作成のポイントは、「現状の正確な(数値による)把握」と、「内製化すべき業務」「外注化できる業務」を切り分ける工程をしっかりと行うこと。

■現場を効率化する前に人を少なくしてしまうことで現場にムリが生じてしまう。

【 実施項目 】

(1)正しい現状把握
どこに問題があるかを把握する。

(2)省経費
業務を同じ品質で代替手段がないか検討する。

(3)省人化
現場作業を最大限まで効率化することにより、情報システムの導入による作業の自動化・機械化を進める。

(4)省時間
同様の成果や利益をより短時間で行えるような現場のシクミ作りを行う

(5)省工程
経費と時間を改善した結果を踏まえ、その工程は自社で行う必要があるのかを検討する。

(6)省管理
現場作業を標準化することにより「誰にでもできる現場」作りを行う

(4)現場での実施優先順位の決定

■改善シナリオが出来た後は、具体的に「何から、どのような順番で改善を行うか」を決定しなければならない。

■改善効果の低いものを優先的に進めても大きな効果はいつまでたっても得られない。

■改善効果の大きいものでも時間を有する項目については、他の項目とバランスを取りながら、改善を進めないと他の改善項目に着手するのが遅くなってしまう。

<優先順位>

1.改善スピードが速くコスト削減効果の高いもの
2.改善スピードは速いがコスト削減効果の低いもの
3.改善スピードは遅いがコスト削減効果の高いもの

■具体的実施項目を実現度の高い順番にそれぞれのボックスの中に書き込んでいく。

  判断基準・・・スピード(達成にどれだけの時間が必要か)

■同じ改善実施項目であっても各企業を取り巻く環境によってその優先順位は変化してしかるべき。

■他部署の協力が必要な実施項目は、別途協力を仰ぐ準備が必要。

■達成に著しく時間がかかるものは改善項目から一旦除外し、達成できるものに集中することが改善のスピードを早めることになる。

(5)失敗しない物流改善

■失敗をしない物流改善を考えるとき、なぜ失敗をするかを考えなければならない。

■物流改善に失敗する企業のほとんどが、改善ステップを明確化できていないことが多い。

■改善ステップの明確化=改善の目的を明確化すること。

■改善の目的、優先順位、実施内容を順序よく決定することで目的達成へのプロセスが明確になる。

■改善の失敗は、改善途中で目的を見失ったり、優先順位のつけ方の違いで、効果を発揮するのが遅くなったり、逆効果な結果を招き、失敗と位置づけられてしまうことが多い。

物流改善の指示命令系統は、経営陣からのトップダウンで行うこと。

■物流改善を行うプロジェクトメンバーは、物流部門だけでなく各関連部署を含む横割りのメンバー構成をすること。

            ↓

  企業としてバランスの取れた物流改善を遂行することが可能。

※メンバー編成や、改善プロジェクトの企業内での位置づけを明確にしてあげるなどの手腕が経営陣に求められている