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第466回「温度管理こそ重要な物流ノウハウ」

日本を代表する宅配大手会社が冷蔵品を常温として仕分けていたという出来事が過去にあった。全事業所の約5%にあたる約200事業所が温度管理を怠っていたという残念な事実である。
ヤマト運輸はクール宅急便を大きなサービスの柱とし、取扱数を増やしてきた。佐川急便とJPも対応を行っているが、ヤマト運輸・佐川急便の2強と言えるであろう。この出来事で筆者は何を感じたかと言うと以下の2点である。

ひとつは「あれだけの強い支持を顧客から受けていながら体制が整備されていなかったのか」と感じたことである。これはドライバーにおける温度管理意識が希薄であるということと、集荷所での施設として冷蔵、冷凍を、一時的であっても温度を管理するための冷蔵庫やエアカーテンと言ったものが十分でないということである。

ある温度帯センターにヤマト運輸のドライバーが納品にやってきたことがある。輪止めをしていなかった点も気に掛かったが、それよりもびっくりしたのは温度管理の生命線とも言えるドッグシェルターを開け放しにして納品を行っていたことである。
そもそもヤマト運輸の車両はドッグシェルターに着車するようになっていないため、ドライバーが手で運んで納品することが基本となるのであろう。仮にドッグシェルター側から納品することがあっても開け放しせず、必要なスペースだけを開けて素早く納品する必要がある。夏場ではドッグシェルター及び冷蔵、冷凍車の扉の開閉で、おおよそ5℃上昇するのである。
次に温度管理の表を参考までに掲載させていただく。

そして、もうひとつは「食品を中心に温度管理を徹底している物流会社に対して失礼である」ということである。
温度管理が必要なセンターでは昼夜、夏冬問わず定められた温度を守るために大変な投資と現場での労力がある。冷蔵、冷凍庫内の作業では専用の服装を着用しているが、それでも現場で長く働くメンバーからは「夏場に汗が出ないようになりました」という声を良く聞き、また作業が苦痛なためヒトが定着しないこともある。会社としても暖取室を設置するなどを行うが、それでもやはり現場は過酷である。筆者も週1~2日は温度帯センターでの改善を行うが、慣れるまでは翌日になっても身体が動かなかった。

このように温度帯事業会社の大半が温度管理を最重要テーマとし、運営を行っているにも関わらず、このような出来事で「物流会社はどこも一緒」と思われることが癪に障るのである。

日本を代表する会社であるからこそ求められるそれだけのモラル、秩序、言動がある。真に“ノブレス・オブリージュ”(「位高ければ徳高きを要す」ウィキペディア)である。今一度、襟を正していただきたいと強く願うのである。

(再掲載)