物流会社が荷主企業に対して提案書を作成・提出する際、多くの物流会社は新規・既存荷主に関わらず「物流フロー」、いわゆるその提案の対象となる企業の「モノ」の流れを表したものを挿入する。
しかし、多くの物流会社はその荷主のことをよく理解できておらず、部分的な流れを知るに止まっていることが多い。これでは獲得できる仕事も獲得できない。
物流会社は荷主の物流に対してもっと視野を拡げ、全体像を見るという習慣・訓練をしなければならない。
具体的には、物流会社の提案書に入っている多くの「物流フロー」は「出」が中心となっている。要するに、対象となる現場からの出荷、納品先までの輸配送を表したフロー図になっている。では、これに何が足りないのか。主に
1.仕入、調達の「モノ」の流れ
2.拠点間移動、横もちの「モノ」の流れ
3.商流、情報の流れ
の3点である。
「そうか」と納得されている読者もおられるだろうが、言われてみればわかる、必要であるというレベルだ。
しかし、荷主との面談の際、これらの情報を収集しておらず、「いざ提案」という時に分からずじまいの「部分フロー」になってしまうことが多い。
受注にあたり、「ムダな部分を改善することにつながる」、「現在、自社で行っている物流の部分をアウトソーシングしてもらう」、「返品商品の保管、リサイクル業務を受ける」、「3PL業者として一括受注を狙う」といった背景や狙いがあるにもかかわらず、「物流フロー」をはじめとして情報不足の丸腰状態で営業活動を行っている場合が多い。
「物流フロー」を描けるというのは先述のように情報収集ができているということであり、それを作成する過程で創造力を働かすことに繋がっている。
提案営業にとって創造力の欠如は大きな仕事の逸注という残念な結果をもたらす。皆様の営業担当者は荷主の物流の「全体フロー」を描けますか。