Top > メールマガジン「物流ナビゲーター」 > 第522回「物流会社の事務所にヒトは要らない」

第522回「物流会社の事務所にヒトは要らない」

物流会社の事務所にヒトは要らない。

これは極論ではあるが、事務所スタッフにムダが多いことは事実であり、業務調整を行えば不必要な人員が出て、間接人件費や管理費の削減にもつながる。皆さんの事務所はどのような人員構成になっているだろうか。事務所内の風景を見てみよう。 

アポイントなし、既存の荷主を訪問しないでデスクに居る営業担当者。事務所に居ては困る。外線を取らない経理担当者。来客にいちいちお茶を出す女性スタッフ。今では私が訪問する多くの会社がお茶やコーヒーなど出さない。ムダである。また、ヒトがいると必ず飛び込み営業などの対応をしなければならない。これも大きなムダである。

帰り荷をつけられず、空車状態をしばしば作ってしまい、ずっと受話器を握り、荷主からのクレームに追われている配車担当者。伝票の転写、手書き、入力に追われる数名の女性スタッフ。これはシステム化を検討しなければ二度手間と記入ミス、入力ミスが発生してしまう。終日、パソコンに座って各営業所の業績を見つめている専務。業績を案ずるより現場に行って現場リーダーの相談にのってあげたり、具体的な指示を出すほうが業績は動く。

このように一見必要と思われている事務所の人員と机数、スペースだが、それぞれに機能していなければ全くのムダである。

私が訪問する会社の中で事務所にスタッフが多くいる会社は大半が赤字である。特に伝票関係に携わっているスタッフが多い会社は顕著である。

次に少数の事務所経営を行っている会社の事例をお伝えする。
私のあるクライアント先は、事務所スタッフがゼロである。電話は全て転送され、社長か配車スタッフが対応している。配車は一応担当者が設置されているが、車に乗っているか荷主の事務所内で伝票発行などの業務を行っている。 

この会社ではそもそも「配車」を行っていない。各ドライバーが直接、荷主から明日の予定などを聞いて自分で仕事をつけてくるため、「求車」というシクミになっている。もし、増車や休車が発生した場合は配車担当者と電話でやり取りを行い、車両調整や休日調整を行う。したがって担当は事務所にいない。

本来、配車は事務所で行うべきではないと私は思っている。携帯電話がこれだけ普及した中であれば事務所外で対応可能であるし、他にやるべき事がある。

1つは現場の荷姿・特長・物量を見て配車すること。ドライバーに指示や注意点を出すことができる。また、もう1つ重要なこととして配車担当者が荷主の物流担当者と会う「面通し」を行うことが挙げられる。顔を知らない者同士の配車業務があまりにも多く、十分なコミュニケーションが取れていないためのトラブルも多い。

さらに、この会社では日報をドライバー自身が日々、パソコン入力する。そのため、請求書発行や給与計算が簡素化されている。

輸配送を中心とした年商2億の会社であるからできる「技」であろうか。いや、私はそう思わない。多くの会社でも導入できる部分がある。大切なのはこのような考え方とコスト意識である。

センター運営などの現場でも同じようなことがある。「人が足りない」と言ってくる現場ほど人を減らすことができるし、場所がないという現場ほどスペースに余裕があり、改善ができる。これは自分で考えてみて、実行してみることをせずに甘えている現場である。

「少数が精鋭をつくる」、翻せば多数が精鋭になることはほとんどないと言えるであろう。

 
物流コンサルティング・コンサルタント