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第533回「見積、タリフを多様化せよ」

物流業における特徴の一つに「料金設定」がある。

一般の商品を生産・卸・販売しているような他の業界では「一個当たり」、もしくは「一ケース当たり」の料金と基本的には一物一価が原則である。だが、物流業は「重量(kg)当たり」、「個建て料金車両の月極(チャーター)」の料金、また物流センターの運営では、「センター通過額の○%」と様々な設定が成され、一物多価といえよう。

しかし、我々はこの特徴というべき「強み」を活かしきれていない。それゆえ、巷で取り沙汰されている「提案営業」や「現場改善」といったテーマへの対応も重要であるが、「まだそこまではちょっと・・・」という物流企業にも活路がある。

その一つに「運賃表」や「タリフ」の多様化がある。いわゆる荷主企業の業務内容・ニーズによって単価・料金の基準(単位)を変えていくということである。ここでのポイントは2つある。

1つは、可能な限り同業他社と同じ単位で出すことを避け、価格だけでの比較競争にならないようにすることである。また、業態によってそれらは多様化する場合が多い。

メーカーであればチャーター料金かケース当たり料金、もしくは重量当たり料金。卸・問屋やセンターを持たない小売業であればチャーター料金、一日当たり料金、件数当たり料金などが中心となる。物流センターの運営料金だけはセンター通過額の○%と均一化の方向にある。

ポイントの2つ目は、荷主にわかりやすく且つメリットのある料金単位で提示することである。具体的には、1つ目に挙げたように、業態によって物流の形態(大量一括納品、多頻度少量、店舗ルート納品など)や物量のロットが異なるため、各荷主の運営単価に合致した料金単位を提示することである。

そして重要であるのが「メリットのある料金単位」である。荷主は配送コストを含め、物流コストが「固定費」になることを嫌う。しかし、売上の増加に伴って料金が増加することについては理解し、納得する。要するに「変動費」としての料金単位である。

これについては仕事量や物量が少ないと売上が少なくなるため、どうしても保守的な考え方でチャーターいわゆる「固定費」型料金を提示する会社も少なくないが、繁忙期には生産性を上げて物量をこなせば、それだけチャーターより実入りは多くなる。繁忙期にここぞとばかり頑張って売上を増やすか、売上の保証を求め、同業他社と比較して安い料金で業務を受けるか、もしくは他社に仕事を取られてしまうか。

いずれにせよ自社の現場が対応できれば運賃・タリフの多様化には活路があるといえるであろう。

 

 
物流コンサルティング・コンサルタント