世間がこれだけ「物流コストの削減」というテーマに躍起になっていても、まだ多くの企業に物流のムダがあり、物流会社にとって多くのビジネスチャンスがある。
名簿や各種リストに掲載されない中小企業ならまだしも社名を聞くと皆が知っているような大手企業でも物流に対する意識やコストの見直し、アウトソーシングによるコストダウン、物流パートナー探しといったテーマに踏み込めていない。
これらのテーマが全社テーマやプロジェクトテーマに挙がることがあっても「中心人物の人事異動」や「年度末の期限切れ」によって、また振り出しに戻っている大企業を多く見かける。
反対に継続的に「物流」のテーマを追いかけることになると人員の大小に関わらず専門組織が設けられ、常にコストと品質のバランスを見据え、物流会社との話し合いや交渉を進めている。
このような会社との取引は、始まるとすればコンペに勝つか特別のコネによってスポットかトライアルの業務を頂戴するのがやっとかもしれない。また、その料金も厳しいことは察しがつく。そこで、物流会社の営業には物流専門組織が発足されていないところを攻めることを大いにお勧めしたい。
また、物流専門組織と言っても「物流部」レベルではなく「物流課」レベルであれば、荷主は真の物流パートナーを探しているし、提案に飢えている。
また、物流会社のトップや営業に携わっている人たちと話をすると「どこそこには○○物流が入っている」とか「あそこは値段が厳しい」などと言って営業活動の困難さを表現するのを聞くが、むしろ困難にしているのは競争のあるところに営業を行う自分たち自身である。
物流の専門組織、要するに物流の概念のない競争なきところに提案を行い、業務を受託することが価値ある営業と言えるであろう。
物流課のない会社は山ほどあり、そこには皆さんが得意とする業務が眠っています。